• 2022.10.25

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    Covid19_after that Ⅳ

    Covid19_after that

     

    新型コロナワクチンを米ファイザーと共同開発した独バイオ医薬ベンチャー、ビオンテック(BioNTech 2008年マインツで設立)の共同創業者であるシャヒン博士(現CEO)と妻のテュレジ博士は、BBCのインタビューでワクチンの開発成果であるメッセンジャーRNA(mRNA)技術を応用したがんワクチンが2030年までに利用可能となるとの見通しを明らかにしました。

     

    新型コロナワクチンと同様の方法で、腫瘍細胞の表面に付着する蛋白質に関する指示を与え、免疫系ががん細胞を特定し、破壊するように仕向けられると考えて、手術後にすぐに個別化がんワクチンを接種し、除去する治療法の確立を目指すとのことです。

     

    夫妻はマインツ大学で医師としてがん患者の治療に当たった経験を持ち、1990年半ばから一貫して目指してきたのはがんの免疫療法でしたが、がん患者への恩恵は依然として少ないままでした。

     

     

     

    成績不良の理由は、がんの遺伝子変異が常に起こっているからではないか、こうした変異に速やかに対応するにはmRNAを用いた免疫療法が望ましい、と考えるようになり、ビオンテック社でmRNAによるがんワクチンの研究を始めていました。

     

    そして、今年9月には膵臓(すいぞう)がんを対象にした初期の臨床試験(治験)で再発を抑える可能性が示されました。

     

    今年93日には、米ファイザーと共同開発した従来株に加えてオミクロン変異株にも対応する2価ワクチンが英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)で承認され、国内でも920日から一定の条件を満たせば接種可能になっています。

     

    COVID-19ワクチンの成功が、がん治療用mRNAワクチンの早期完成に役立ってほしいものです…..rangert1