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2025.10.24
International Chopin Piano Competition_beautiful and dignified
International Chopin Piano Competition_beautiful and dignified
今月10月2日からポーランドのワルシャワで開催された第19回フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール(5年毎に開催)は、10月21日に本選の最終結果が発表され、優勝はアメリカのエリック・ルー氏(27歳) 使用ピアノ:Fazioli、2位ケヴィン・チェン(20歳)Steinway & Sons、3位ズドン・ワン(26歳)Kawai、4位リュー・ティエンヤオ(16歳)Fazioli、同4位に日本の桑原志織氏(29歳)Steinway & Sonsが入賞を果たしました。
1970年第2位入賞の内田光子氏(当時21歳)氏、2021年同着第2位の反田恭平氏(当時35歳)以来の快挙になります。
因みに今年5月にブリュッセルで開催された三大国際コンクールの一角であるエリザベート王妃国際コンクールでは、久末航氏(31歳)が日本人として最高位の2位になっています。
過去には、第5回1960年マウリツィオ・ポリーニ(イタリア)、第6回1965年マルタ・アルゲリッチ(アルゼンチン)、第9回1975年クリスティアン・ツィマーマン(ポーランド)、第11回1985年スタニスラフ・ブーニン(ロシア)等の世界的に著名なピアニストが優勝しています。
明晰、完璧且つ高貴なポリーニの前奏曲集、練習曲集、バラード、ポロネーズ、ノクターン、情熱的かつ抒情性豊でドラマチックなアルゲリッチの前奏曲集、スケルツォ、ソナタ、協奏曲、他多数の名盤を残しており、私も昔々にレコードを沢山買った覚えがあります。

今回の応募者数642人の内、一次予選40人から最終選考(三次予選)に残った11人は、中国3人、日本2人、マレーシア1人、中国系アメリカ1人・中国系オーストラリア1人、中国系カナダ1人とアジア系が計9人、その他はポーランド人1人、ジョージア1人の2名と、近年はアジア系の台頭が顕著で、特に中国系のピアニストが優勝および上位入賞を果たしています。
しかし、審査員を務めたポーランド人のヤブウォンスキ教授はインタビューの中で、こう語りました。
ショパンの精神はどこへ?「若いピアニストたちはYouTubeのコピーをしている」
「本当の意味でのポロネーズは、まだここで聴いていません。若いピアニストたちは音楽を深く学ばず、YouTubeで見た演奏を真似しているだけ。観客ウケを狙って演劇のように弾いている。みんな近道でキャリアを築こうとしているのです。マスタークラスで『ポロネーズを実際に踊ったことがあるか』と尋ねても、多くの学生が「いいえ」と答える」
「今の演奏は楽譜どおりに弾かれることが少ない。すべてが感覚的で、観客の反応を狙っている。ステージでは“爆発するエゴ”ばかりが目立つ。謙虚さや知識が欠けている。」
「目を閉じれば何も感じないのに、目を開ければ劇場が始まる。これは音楽ではありません」
「ここには本当に美しく、品格あるショパンの演奏もあります。ただ、そうした演奏は“派手さ”がないため、観客の反応が薄いのです。静かな美しさは退屈だと思われ、商業的に“売れない”のです。」
彼は、創設から100周年を迎えた今回のコンクールに際して、現代の音楽の在り方に疑問を呈し、警鐘を鳴らしました…..rangert1
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