• 2025.08.07

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    Amplituhedron_more beautiful, simple and unified system

                      from wikipedia 

     

    Amplituhedron_more beautiful, simple and unified system

     

    先日、科学サイトを横読みしていたところ、2015年にプリンストン高等研究所の物理学者ニーマ・アルカニ=ハメドが当時大学院生だったヤロスラフ・トルンカ(現在はカルフォルニア工科大学)とともに提唱したアンプリチューヘドロン(Amplituhedron)の記事を見つけました。

     

    「Amplituhedronとは、時空(時間と空間)を前提とせず、1個の粒子に1個の頂点を当てて多面体を描き、その体積を求めると振幅が現れるという手法。

    この多面体は相互作用にかかわる粒子の数と方向を符号化した、曲線的な形状をもつ幾何学定子的構造をしている。

    その体積はその相互作用の振幅を表し、この体積はその相互作用が発生するさまざまな経路を示す全てのファインマン・ダイアグラム=場の量子論において摂動展開の各項を図に示したものの振幅の総計に等しく、その図形の「体積」が、粒子同士が衝突したときに何が起きるかを示す確率をそのまま表している。

    つまりこの多面体は、われわれの住む通常の空間の中に存在する現実の物体ではなく、粒子の相互作用の構造をとらえた抽象的な数学的形状である。」??? 

     

                          by Edword  Hughes

     

     

    私でもわかる解説書によると、粒子たちの関係を座標ではなく線と面でとらえ、散乱の複雑な計算(数万~数億回)を、その形の体積に置き換えたもの….則ち時空は幾何学的な振幅する多面体の体積から簡単に計算できるとのことらしいです。

     

    多くの研究者が「アンプリチューヘドロンのような幾何学的手法は、量子重力理論(量子論と重力の統合)を探求する新たな道を開く可能性がある」と指摘しており、ある研究者は「私たちが感じる時間の流れや変化というものが、実はアンプリチューヘドロンという構造の性質から生じる現象(派生)であり、この構造自体は時間を持たない存在なのかもしれません」と述べています。

     

    この概念は時空が真に十分な根拠をもつ物理的概念であるとは言えないのではないか、という疑念を生じさせると共に、もし本当に空間や時間が幻影に過ぎず、もっと根源的な幾何学的存在(セオリー)があるとすれば、それは物理学だけでに留まらず全ての学問と事象に深く関わることとなると予想しています。

     

    アンプリチューヘドロンは、「私たちの現実とは何か?」という宇宙そのものの根源的な問いかけをしているようです….rangert1